問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
ランダム化比較試験〈RCT〉で正しいのはどれか。
a. 観察研究である。
b. 外的妥当性が高い研究である。
c. 未測定の交絡因子に対応できない。
d. 有病率の低い疾患の研究に適している。
e. 症例対照研究よりエビデンスレベルが高い。
ランダム化比較試験(RCT)で正しいのは「e. 症例対照研究よりエビデンスレベルが高い」である。
ランダム化比較試験(RCT)についての正しい理解は以下の通りである:
- 観察研究である(a. 観察研究である):RCTは介入研究であり、観察研究とは異なる。被験者をランダムに割り付けて介入の効果を評価する。
- 外的妥当性が高い研究である(b. 外的妥当性が高い研究である):RCTは内部妥当性(因果関係の推定の正確さ)が高いが、外的妥当性(結果の一般化可能性)は必ずしも高くないことがある。
- 未測定の交絡因子に対応できない(c. 未測定の交絡因子に対応できない):RCTはランダム化によって交絡因子の影響を最小限にするが、完全に排除することは難しい場合もある。
- 有病率の低い疾患の研究に適している(d. 有病率の低い疾患の研究に適している):有病率が低い疾患の研究には大規模なサンプルサイズが必要であり、費用と時間がかかるため、必ずしも適しているとは言えない。
一方、RCTは以下の特徴がある:
- 症例対照研究よりエビデンスレベルが高い(e. 症例対照研究よりエビデンスレベルが高い):RCTは介入の因果関係を明確に評価できるため、エビデンスレベルが高いとされている。症例対照研究は観察研究であり、因果関係の推定には限界がある。
従って、RCTで正しいのは「e. 症例対照研究よりエビデンスレベルが高い」である。