問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
術前診察時の患者情報と周術期のリスクとの組合せで誤っているのはどれか。
a. 喫 煙 ― 術後無気肺
b. 開口障害 ― 気道確保困難
c. 大量飲酒 ― 肺塞栓症
d. 抗凝固薬服用中 ― 止血困難
e. バナナ摂取後の蕁麻疹 ― ラテックスアレルギー
術前診察時の患者情報と周術期のリスクとの組み合わせで誤っているのは「c. 大量飲酒 ― 肺塞栓症」である。
以下に各選択肢について説明する:
- **a. 喫煙 ― 術後無気肺**:喫煙者は術後に肺の合併症を起こしやすく、特に無気肺のリスクが高い。
- **b. 開口障害 ― 気道確保困難**:開口障害があると、気道確保が困難になる可能性が高い。
- **c. 大量飲酒 ― 肺塞栓症**:大量飲酒はさまざまな健康リスクを引き起こすが、肺塞栓症の直接的なリスクファクターとはされていない。むしろ、大量飲酒は肝機能障害や出血傾向、免疫機能低下などのリスクが高くなる。
- **d. 抗凝固薬服用中 ― 止血困難**:抗凝固薬を服用している患者は、手術中や術後に出血が止まりにくいリスクがある。
- **e. バナナ摂取後の蕁麻疹 ― ラテックスアレルギー**:バナナ、アボカド、キウイなどの特定の食品に対するアレルギーはラテックスアレルギーと関連があることが知られている。
したがって、正しい組み合わせでないのは「c. 大量飲酒 ― 肺塞栓症」である。