問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
身体診察所見と病態・疾患の組合せで正しいのはどれか。
a. えくぼ徴候 ― 女性化乳房
b. Kernig 徴候 ― 髄膜炎
c. Chvostek 徴候 ― 胸水貯留
d. Blumberg 徴候 ― 停留精巣
e. Grey-Turner 徴候 ― 尿路結石
身体診察所見と病態・疾患の組み合わせで正しいのは「b. Kernig 徴候 ― 髄膜炎」である。
以下に各選択肢について説明する:
- **a. えくぼ徴候 ― 女性化乳房**:えくぼ徴候は、皮下脂肪が減少して皮膚が凹む現象であり、女性化乳房とは関係がない。
- **b. Kernig 徴候 ― 髄膜炎**:Kernig徴候は、髄膜炎に関連する徴候であり、患者が仰臥位で膝を屈曲させた状態から膝を伸展させると痛みが生じる現象である。髄膜の炎症を示す重要な診断所見である。
- **c. Chvostek 徴候 ― 胸水貯留**:Chvostek徴候は、低カルシウム血症に関連する徴候であり、顔面神経を叩打すると顔面筋が収縮する現象である。胸水貯留とは関係がない。
- **d. Blumberg 徴候 ― 停留精巣**:Blumberg徴候は、腹膜刺激症状を示す反跳痛のことであり、主に急性腹膜炎などの腹腔内の炎症に関連する。停留精巣とは関係がない。
- **e. Grey-Turner 徴候 ― 尿路結石**:Grey-Turner徴候は、急性膵炎や後腹膜出血などによる皮下出血斑であり、尿路結石とは関係がない。
したがって、身体診察所見と病態・疾患の組み合わせで正しいのは「b. Kernig 徴候 ― 髄膜炎」である。