問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
1 か月の男児。不機嫌と哺乳不良とを主訴に両親に連れられて来院した。昨夜から機嫌が悪く、約 50 % 哺乳量が減少したため夜間救急外来を受診した。周産期に異常はない。意識は清明。①体温 37.1 ℃。②心拍数 120/分、整。③血圧 80/50 mmHg。④呼吸数 36/分。顔色はやや不良。大泉門は平坦。頸部にリンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は軟である。⑤毛細血管再充満時間 4 秒。
a. ①
b. ②
c. ③
d. ④
e. ⑤
迅速な対応を要する所見は「⑤ 毛細血管再充満時間 4 秒」である。
毛細血管再充満時間(CRT)は、末梢循環の指標として重要であり、通常は2秒以下である。4秒以上の場合、末梢循環不全やショックの兆候を示す可能性がある。
以下に各所見について説明する:
- **①体温 37.1 ℃**:これは正常範囲内の体温であり、迅速な対応を要する所見ではない。
- **②心拍数 120/分、整**:これはこの年齢の正常範囲内の心拍数であり、迅速な対応を要する所見ではない。
- **③血圧 80/50 mmHg**:この年齢の正常範囲内の血圧であり、迅速な対応を要する所見ではない。
- **④呼吸数 36/分**:これはこの年齢の正常範囲内の呼吸数であり、迅速な対応を要する所見ではない。
- **⑤毛細血管再充満時間 4 秒**:これは異常であり、末梢循環不全やショックの兆候を示している可能性が高く、迅速な対応が必要である。
したがって、迅速な対応を要する所見は「⑤ 毛細血管再充満時間 4 秒」である。