問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
25 歳の男性。尿量減少を主訴に来院した。 1 週間前に家族から顔のむくみを指摘された。 3 日前から尿量が減少したため受診した。生来健康である。
身長 177cm、体重 74 kg。脈拍 72/分、整。血圧 108/64 mmHg。両眼瞼に浮腫を認める。胸腹部に異常を認めない。両下腿に圧痕性浮腫を認める。
尿所見:蛋白 4 +、糖(-)、潜血(-)、蛋白定量 1,540 mg/dL(基準 15~45)、クレアチニン定量 70mg/dL、Na 15 mEq/L。血液所見:赤血球 632 万、Hb 19.1 g/dL、Ht 55 %。血液生化学所見:総蛋白 3.6 g/dL、アルブミン 1.2 g/dL、尿素窒素 40 mg/dL、クレアチニン 1.9 mg/dL、尿酸 7.6 mg/dL、総コレステロール 521 mg/dL、Na 131mEq/L、K 4.7 mEq/L、Cl 100 mEq/L。
次に行うべき検査はどれか。
a. 膀胱鏡検査
b. レノグラム
c. 腹部造影 CT
d. 腹部超音波検査
e. 腹部エックス線撮影
ネフローゼ症候群を強く疑う。
ネフローゼ症候群の診断には、腎臓の状態を詳細に評価することが重要である。まずは侵襲が少なく有用な検査から行う。