問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
a. LD
b. AST
c. 血小板数
d. ヘマトクリット値
e. 尿蛋白/クレアチニン比
この患者の症状と所見から、HELLP症候群(Hemolysis, Elevated Liver enzymes, Low Platelet count)が疑われる。HELLP症候群は妊娠高血圧症候群の一形態であり、重症な場合には母体および胎児に重大な影響を与える。
HELLP症候群の特徴的な所見として以下が挙げられる:
- 溶血(Hemolysis):LD(乳酸脱水素酵素)やビリルビンの上昇。
- 肝酵素の上昇(Elevated Liver enzymes):AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)やALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)の上昇。
- 血小板の減少(Low Platelet count):血小板数の低下。
したがって、この患者で低下していることが予測されるものは「c. 血小板数」である。
他の選択肢についての説明:
- **a. LD**:HELLP症候群では溶血によりLDが上昇するため、低下することは予測されない。
- **b. AST**:肝酵素の上昇が特徴であり、ASTは上昇するため、低下することは予測されない。
- **d. ヘマトクリット値**:溶血によりヘマトクリット値が低下することもあるが、一般的に溶血の影響が強い。
- **e. 尿蛋白/クレアチニン比**:妊娠高血圧症候群やHELLP症候群では、尿蛋白が増加するため、この比率は高くなる。
したがって、低下していることが予測されるのは「c. 血小板数」である。