問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
69 歳の男性。肉眼的血尿を主訴に来院した。 1 か月前から血尿が出現した。意識は清明。身長 176 cm、体重 86 kg。体温 36.5 ℃。脈拍 68/分、整。血圧 118/72mmHg。腹部は平坦で、腫瘤を触知しない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)、潜血 3 +、沈渣に赤血球を多数認めた。来院時の膀胱鏡像と骨盤部造影 CTを別に示す。胸腹部 CT と骨シンチグラフィで異常を認めない。
まず行うべき治療で適切なのはどれか。
a. 殺細胞性抗癌薬
b. 腎尿管全摘除術
c. BCG 膀胱内注入療法
d. 経尿道的膀胱腫瘍切除術
e. 免疫チェックポイント阻害薬
提供された情報に基づいて、まず行うべき治療で適切なのは「d. 経尿道的膀胱腫瘍切除術」である。
膀胱腫瘍が疑われる場合、まずは診断と治療を兼ねて経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)を行うことが一般的である。この手技により腫瘍の組織を採取し、病理診断を確定するとともに、腫瘍の切除を行うことができる。その後、腫瘍の性質や進行度に応じて追加の治療(例えばBCG療法や抗がん剤治療など)が検討される。