73 歳の女性。筋力低下と嚥下困難を主訴に来院した。 2 か月前から階段昇降が困難になり、 1 か月前から布団の上げ下ろしができなくなった。 2 週間前から上眼瞼の浮腫および全身の紅斑が出現し、 7 日前からむせのため食事摂取が困難になったため受診した。意識は清明。身長 154 cm、体重 40 kg。体温 37.5 ℃。脈拍 96/分、整。血圧 134/70 mmHg。呼吸数 16/分。SpO₂ 97 %(room air)。上眼瞼に淡い浮腫性紅斑および両手指の関節背面に紅色丘疹を認める。両耳介、前頸部、背部、上肢伸側および臀部外側に紅斑を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。
表在リンパ節腫大を認めない。四肢近位筋に対称性筋力低下を認める。四肢に感覚異常を認めない。尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球 372 万、Hb 11.3g/dL、Ht 33 %、白血球 5,900(好中球 75 %、好酸球 1 %、単球 12 %、リンパ球12 %)、血小板 26 万。血液生化学所見:総蛋白 5.6 g/dL、アルブミン 3.0 g/dL、AST 108 U/L、 ALT 79 U/L、 LD 628 U/L(基準 124~222)、 γ-GT 30 U/L(基準9 ~32)、CK 1,620 U/L(基準 41~153)、尿素窒素 12 mg/dL、クレアチニン 0.4mg/dL、血糖 111 mg/dL、TSH 3.8 μU/mL(基準 0.2~4.0)、FT3 2.7 pg/mL(基準 2.3~4.3)、FT4 1.1 ng/dL(基準 0.8~2.2)。免疫血清学所見:CRP 0.8 mg/dL、抗 TIF1-γ 抗体陽性。胸部エックス線写真に異常を認めない。

この患者で最も注意すべき合併症はどれか。

a. 肝不全

b. 悪性腫瘍

c. 間質性肺炎

d. 急性腎障害

e. 膀胱直腸障害

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)