問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
a. 漢方薬
b. NSAID
c. 抗うつ薬
d. 酸分泌抑制薬
e. 消化管運動調節薬
この患者に対する治療で**用いられない**のは **b. NSAID** である。
患者は長年にわたり食後の胃もたれを訴えており、上部消化管内視鏡検査では異常が見られないことから、**機能性ディスペプシア**(FD)が疑われる。この場合、治療には消化管運動調節薬や酸分泌抑制薬、漢方薬、場合によっては抗うつ薬が用いられる。
一方、**NSAID**(非ステロイド性抗炎症薬)は胃腸の粘膜障害を引き起こし、消化器症状を悪化させる可能性があるため、胃もたれの治療には適さない。
他の選択肢について:
- **a. 漢方薬**:六君子湯などが機能性ディスペプシアに対して用いられることがある。
- **c. 抗うつ薬**:低用量の抗うつ薬は消化管の知覚過敏やストレスに関連する症状の改善に役立つ場合がある。
- **d. 酸分泌抑制薬**:プロトンポンプ阻害薬(PPI)などは、胃酸の分泌を抑えて症状を緩和するために使用される。
- **e. 消化管運動調節薬**:消化管の蠕動運動を調整し、食後の胃もたれを軽減するために使用される。
したがって、正解は **b. NSAID** である。