63 歳の男性。呼吸困難を主訴に救急車で搬入された。 3 日前から労作時の息苦しさを自覚していた。本日、帰宅後から徐々に息苦しさが出現し我慢できなくなり救急車を要請した。50 歳時から高血圧症を指摘されていたが医療機関を受診していなかった。喫煙は 20 本/日を 43 年間。飲酒は機会飲酒。意識は清明。顔貌は苦悶様。身長 170 cm、体重 85 kg。体温 36.8 ℃。心拍数 122/分、整。血圧 190/116 mmHg、左右差なし。呼吸数 26/分。SpO₂ 92 %(リザーバー付マスク 10 L/分 酸素投与下)。頸静脈怒張を認める。心音は IV 音を聴取する。呼吸音は両側全肺野で coarse crackles を聴取する。下腿浮腫を認めない。血液所見:赤血球 445 万、Hb 13.7 g/dL、Ht 41 %、白血球 8,100、血小板 22 万。血液生化学所見:総蛋白6.9 g/dL、AST 31 U/L、ALT 30 U/L、LD 164 U/L(基準 124~222)、CK 110 U/L(基準 59~248)、尿素窒素 21 mg/dL、クレアチニン 1.1 mg/dL、 eGFR 60mL/分/1.73 m2、尿酸 8.2 mg/dL、血糖 104 mg/dL、Na 132 mEq/L、K 3.9 mEq/L、Cl 110 mEq/L、脳性ナトリウム利尿ペプチド〈BNP〉1820 pg/dL(基準 18.4 以下)。CRP 0.3 mg/dL。心筋トロポニン T 迅速検査陰性。心エコー検査では心収縮能は正常で弁膜症を認めない。12 誘導心電図と胸部エックス線写真を別に示す。

診断はどれか。

a. 心膜炎

b. 拡張型心筋症

c. 高血圧緊急症

d. 不安定狭心症

e. 閉塞性肥大型心筋症

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)