問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
診断はどれか。
a. うつ病
b. 社交不安障害
c. 概日リズム障害
d. 適応障害〈適応反応症〉
e. 心的外傷後ストレス障害
このケースの診断は**d. 適応障害〈適応反応症〉**である。
解説:
適応障害は、明確なストレス因子に対して過剰な心理的・行動的反応が生じ、社会的・職業的な機能が障害される状態である。今回の患者は、仕事における叱責や苦情という明確なストレス因子により、気分の落ち込みや不眠、会社に行くことへの不安(動悸)などの症状が出現している。しかし、休日には趣味を楽しめている点や、ストレス因子が緩和されると症状が軽快したことから、うつ病などの持続的な抑うつ状態ではないことが示唆される。ストレス因子が取り除かれ、3か月後に復職できるようになったことも、適応障害の特徴と合致する。