問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
a. 「遺伝性の発症が多い疾患です」
b. 「保育園での運動は控えましょう」
c. 「小児期に不整脈を生じることが多いです」
d. 「心臓の負担をとるために塩分制限が必要です」
e. 「適切なタイミングで欠損孔の閉鎖治療が必要か考えます」
心房中隔欠損症に関する両親への説明で適切なのは**e. 「適切なタイミングで欠損孔の閉鎖治療が必要か考えます」**である。
解説:
心房中隔欠損症(ASD)は、心房間にある隔壁の欠損により、左心房から右心房への血流のシャントが生じる先天性心疾患である。今回のケースでは、12 mmの欠損孔があり、右心房と右心室の拡大が確認されているため、将来的に心臓への負担を軽減するために、欠損孔の閉鎖が検討されるべきである。欠損孔が小さい場合は自然閉鎖することもあるが、一定のサイズ以上の場合や心臓に負担がかかる場合には閉鎖治療が推奨される。
他の選択肢について:
- **a. 「遺伝性の発症が多い疾患です」**は不正確で、ASDは一般的に遺伝的要因は少ない。
- **b. 「保育園での運動は控えましょう」**は過度な制限であり、症状がなく肺高血圧症もないため、通常の活動制限は不要である。
- **c. 「小児期に不整脈を生じることが多いです」**は誤りで、不整脈が生じるリスクは成人期以降に高まる。
- **d. 「心臓の負担をとるために塩分制限が必要です」**は、現段階では塩分制限が必要な状況ではない。