a. 喀痰:抗酸菌塗抹陽性
b. 生化学検査:血清 IgA 高値
c. 呼吸機能検査 FEV1 %:60 % 以下
d. 気管支肺胞洗浄〈BAL〉:リンパ球分画増加
e. 経気管支肺生検病理組織:びまん性肺胞障害〈DAD〉
この患者の症例は、職業歴(キノコ栽培)、両側肺野の粒状影、KL-6の上昇などから、**過敏性肺炎(過敏性肺臓炎)**を強く示唆しています。特にキノコ栽培に関連した「キノコ栽培肺」などの職業性過敏性肺炎が疑われます。
**過敏性肺炎**では、吸入された有機物に対する免疫反応が引き金となり、肺に炎症が生じます。この疾患で特徴的な所見の1つは、**気管支肺胞洗浄(BAL)でのリンパ球分画の増加**です。BALの検査では、過敏性肺炎においてリンパ球が増加することがよく見られ、これは肺での免疫反応を反映しています。
したがって、正しい選択肢は **d. 気管支肺胞洗浄(BAL):リンパ球分画増加** です。
他の選択肢について:
- **a. 喀痰:抗酸菌塗抹陽性**:抗酸菌塗抹陽性は結核や非結核性抗酸菌症に関連し、過敏性肺炎とは関係ありません。
- **b. 生化学検査:血清 IgA 高値**:IgAの高値は、特定の免疫系疾患や腎疾患に関連しますが、過敏性肺炎とは関連しません。
- **c. 呼吸機能検査 FEV1 %:60 % 以下**:FEV1%の低下は閉塞性肺疾患(COPDなど)で見られるもので、過敏性肺炎では通常拘束性換気障害を伴います。
- **e. 経気管支肺生検病理組織:びまん性肺胞障害(DAD)**:DADは急性呼吸窮迫症候群(ARDS)などで見られる病理所見で、過敏性肺炎では典型的ではありません。
以上から、過敏性肺炎に特徴的な所見は **d. 気管支肺胞洗浄(BAL):リンパ球分画増加** です。