問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
a. 冠動脈瘤
b. 間質性肺炎
c. 血小板減少
d. 急性糸球体腎炎
e. 亜急性硬化性全脳炎
この8歳の女児は、微熱、顔面および体幹部の発疹、そしてA群β溶連菌迅速検査陽性という所見から、**溶連菌感染症(A群β溶連菌感染症)**が疑われます。溶連菌感染症に関連する重要な合併症の一つが**急性糸球体腎炎**です。
**急性糸球体腎炎**は、溶連菌感染後に発症する可能性があり、特に扁桃炎や咽頭炎などの溶連菌感染後1~2週間で発生します。血尿、蛋白尿、浮腫、高血圧などが見られることがあります。このため、A群β溶連菌感染症の患者では急性糸球体腎炎のリスクがあるため、注意深く観察する必要があります。
他の選択肢について:
- **a. 冠動脈瘤**:川崎病の合併症として知られていますが、溶連菌感染症との関連はありません。
- **b. 間質性肺炎**:溶連菌感染症との関連は一般的ではありません。
- **c. 血小板減少**:溶連菌感染症に伴う特異的な合併症ではありません。
- **e. 亜急性硬化性全脳炎**:これは麻疹ウイルスの遅発性合併症であり、溶連菌感染とは関連がありません。
したがって、この患児の注意すべき合併症は **d. 急性糸球体腎炎** です。