Aさん(23 歳、女性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。専門学校卒業後に就職し、仕事も順調であった。4か月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1か月ほど続いたが、通勤は続けていた。Aさんは2か月前から不眠を訴えるようになり、先月からは給料の全額を宝くじの購入に費やしてしまう行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。
Aさんは、診察室では多弁であった。また、ささいなことで怒り出し、自分は病気ではないと治療を受けることを拒否した。意識は清明で見当識障害はみられなかった。Aさんは双極性障害と診断され医療保護入院をすることになった。
入院時のAさんのアセスメントで正しいのはどれか。
1. 躁状態
2. 緘黙状態
3. 錯乱状態
4. せん妄状態
入院後週が経過した。Aさんの携帯電話は母親が持ち帰っているため、Aさんは職場のことが気になると言って、毎日、病棟内の公衆電話から頻繁に会社の上司に電話をしている。看護師が面接をしたところ、今後への強い焦りの訴えが聞かれた。
Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1. 休養の必要性をAさんと再確認する。
2. 仕事のことは考えないように伝える。
3. Aさんの上司にAさんの病状と行動との関連を説明する。
4. Aさんのテレホンカードをナースステーションで管理する。
入院してか月が経過し、Aさんは服薬による治療で多弁や易怒性などの症状が改善し、落ち着いて過ごせるようになった。Aさんは治療を継続する必要性についても理解している。看護師がAさんと家族への退院指導を行うことになった。
退院指導における説明で最も適切なのはどれか。
1. 「薬の管理は家族が行ってください」
2. 「今後も定期的な入院が必要になります」
3. 「Aさんの言動の変化に気を付けましょう」
4. 「服薬していれば再発することはありません」