A ちゃん(5歳、男児)は、2日前に 39 ℃に発熱して両側の耳下腺部の痛みを訴えた。昨日から同部位の腫脹がみられ、頭痛を訴えている。夜間に嘔吐が4回あり、発熱と頭痛が持続したため、本日父親に連れられて来院し、髄膜炎の疑いで個室に入院した。通っている幼稚園には、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)罹患児が数名いる。

既往歴:特記すべきことはない。

予防接種歴:年齢相応の定期接種はすべて済んでいる。おたふくかぜワクチンは未接種である。

家族歴:両親は流行性耳下腺炎罹患の既往がある。妹の B ちゃん(3歳)は、年齢相応の定期予防接種は済んでいるが、おたふくかぜワクチンは未接種である。また、

流行性耳下腺炎罹患の既往はない。

身体所見:体温 39.2 ℃、項部硬直あり。両側耳下腺部の腫脹と圧痛あり。胸部聴診で異常なし。腹部は平坦で軟、圧痛なし。ケルニッヒ徴候あり。

検査所見:白血球 8,760/μL。血清アミラーゼ 834 U/L (基準 44〜132)、CRP 0.1mg/dL。


A ちゃんに腰椎穿刺を行うことになった。看護師が検査の準備を始めると、A ちゃんは「何をするの?」と不安そうな表情をして尋ねてきた。

看護師の適切な返答はどれか。

1. 「泣いちゃだめだよ」

2. 「気にしないでいいよ」

3. 「痛いことはしないよ」

4. 「背中にお注射するよ」

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検査の結果、A ちゃんはムンプス髄膜炎と診断された。父親から看護師に「先ほど主治医の先生から、面会や A の入院中の生活に制限があると聞きました。詳しく教えてください」と質問があった。

看護師の説明で適切なのはどれか。

1. 「親の面会は可能です」

2. 「B ちゃんの面会は可能です」

3. 「A ちゃんはプレイルームで遊べます」

4. 「A ちゃんは病室内でガウンを着てもらいます」

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A ちゃんは入院の翌日も発熱が続いたが、頭痛は軽減し嘔気は消失したため経口摂取を開始した。入院日、体温は微熱となり食欲が回復したことから、翌日の退院が決定した。耳下腺は縮小しつつあるが圧痛がある。父親から看護師へ「退院後、何か注意することはありますか」と質問があった。

父親への看護師の回答で適切なのはどれか。

1. 「A ちゃんの精巣の腫れに注意してください」

2. 「A ちゃんは退院後1週間は登園できません」

3. 「A ちゃんの耳の聴こえ方に注意してください」

4. 「A ちゃんから B ちゃんへの感染予防には明日までのワクチン接種が効果的です」

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