A さん(22 歳、女性、会社員)は、昼食後、自室に大量のお菓子とお酒を持ち込み、食べて飲んでいたところを母親に注意をされたことに腹を立て、母親の目の前でリストカットを始めた。慌てた母親は、父親とともに A さんを連れて救急外来に来院した。医師が傷の処置をしようとすると「死んでやる。触るな」と大声で騒ぎ暴れ始めたため、精神科病棟に緊急入院となった。
入院当日、A さんに対する看護師の関わりで適切なのはどれか。
1. 短期間の入院となることを伝える。
2. 母親と関係修復をするように促す。
3. リストカットをしないように説得する。
4. A さんの心身を心配していることを伝える。
入院翌日、母親が面会に来たが、A さんに要求されるままお菓子を大量に持参した。A さんは、面会室でお菓子をすべて食べた直後に、トイレにこもり、嘔吐していたところを看護師が発見した。A さんは泣きながら「食べると止まらなくなる。太りたくない」と訴えた。主治医は、A さんが右第指を使って嘔吐していた痕跡を認めたこと、A さんが「中学の時から過食と嘔吐を繰り返していた」と話したことから、神経性過食症と診断した。
入院時の身体所見:身長 155 cm、体重 48 kg。入院時の検査所見:赤血球 400 万/μL、Hb 12.5 g/dL、白血球 6,300/μL。Na 135 mEq/L、K 2.7 mEq/L、Cl 98 mEq/L、AST 30 U/L、ALT 35 U/L、γ-GTP 32 U/L。
A さんの状態をアセスメントするために優先度が高い検査はどれか。
1. 心電図
2. 頭部 CT
3. 腹部超音波
4. 上部消化管内視鏡
入院後3週、A さんの精神状態は落ち着き、職場に早く戻りたいと意欲があったため、退院に向けての準備をすることになった。自傷行為は、入院前の1回のみだった。A さんは「また過食をしないか心配だ」と看護師に訴えた。そのため主治医は A さんと話し合い認知行動療法が開始となった。
A さんの退院に向けて、医師、看護師のチームと連携するメンバーで最も適切なのはどれか。
1. 栄養士
2. 薬剤師
3. 臨床心理士
4. ゲートキーパー
5. 精神保健福祉相談員