A 市に住む B さん(40 歳、経産婦)は、妊娠 20 週 0 日である。夫(42 歳、会社員)、長女のCちゃん(5歳)の3人暮らし。朝食を終えた午前時、大規模災害が発生し、夫は倒壊した家屋に両下肢が挟まれ身動きがとれなくなった。一緒にいた B さんとC ちゃんは無事だったが、慌てる B さんのそばで C ちゃんは泣きながら座りこんでいた。午前 10 時、夫は救助隊に救出されたが、下肢の感覚はなくなっていた。病院に搬送された夫は、その日のうちに入院となった。
搬送直後の夫の血液検査データで、高値が予想されるのはどれか。2つ選べ。
1. カリウム
2. カルシウム
3. ヘモグロビン<Hb>
4. 総コレステロール
5. クレアチンキナーゼ<CK>
夫の状況を考慮すると、下肢が挟まれていたという事故の状況から、筋組織の損傷が考えられます。そのため、関連する血液検査データで高値が予想されるのは次のものです:
1. **カリウム** - 筋組織の破壊により細胞内のカリウムが血流に放出されるため、高カリウム血症が発生する可能性があります。
2. **クレアチンキナーゼ (CK)** - 筋肉損傷のマーカーとして知られており、下肢が挟まれたことによる筋肉の損傷でCK値が上昇することが一般的です。
これらのマーカーの上昇は、筋組織の損傷や破壊を示しており、このような場合に特に注意が必要です。そのため、選択肢 **1. カリウム** と **5. クレアチンキナーゼ (CK)** が最も適切です。
被災当日に B さんはCちゃんとともに避難所に入所した。被災後1日、B さんは巡回してきた看護師に「今妊娠 20 週目ですが、おなかが張ることがあります」と話した。
看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。
1. 下肢の浮腫の程度
2. 食事の摂取状況
3. 性器出血の有無
4. 排泄状況
Bさんが妊娠20週でお腹の張りを訴えている状況を考慮すると、妊娠中の異常の可能性を評価することが重要です。お腹の張りは通常の妊娠症状として見られることがありますが、それが頻繁である場合や他の症状と併発している場合、早産のリスクやその他の合併症の可能性を考慮する必要があります。
この文脈で、**性器出血の有無**を確認することは、子宮の状態や早産のリスクを評価する上で最も重要です。性器からの出血は妊娠中の重大な合併症を示す可能性があり、速やかな対応が必要とされるため、選択肢 **3. 性器出血の有無** の確認が優先度が高いと判断されます。
B さんに異常は認められなかったが、C ちゃんも不安な表情で B さんの傍にいる姿をみて、看護師は B さんとCちゃんは福祉避難所への移動が必要ではないかと考えた。
福祉避難所への移動のために看護師が連携する者で適切なのはどれか。
1. 精神科医
2. 民生委員
3. A 市の保健師
4. ボランティアの保育士
福祉避難所への移動に関して、看護師が連携すべき適切な者は「A 市の保健師」です。保健師は公衆衛生、災害対策、および個々の健康状態の管理において専門的な知識と経験を持ち、災害発生時には地域住民の健康と福祉のニーズを支援します。福祉避難所では、特に妊婦や小さな子どもを持つ家族など、特別なケアが必要な人々のための適切な環境を整える役割が求められるため、保健師の専門性が活用できます。したがって、選択肢 **3. A 市の保健師** が最も適切です。