A さん(78 歳、男性)は、妻(70 歳)と2人暮らしである。脳血管障害後遺症による右片麻痺があり、車椅子への移乗は部分介助、要介護2である。排泄はポータブルトイレを利用している。A さんと妻はなるべく家で過ごしたいと考え、自宅での介護はすべて妻が行っている。長女(会社員)が県内に在住しているが A さんの介護はしていない。訪問看護を週1回利用するのみで、他のサービスは利用していない。最近、妻の腰痛が悪化し、妻から訪問看護師に「主治医から介護の負担を軽減するように言われました。でも夫は家から出たくないし、私も夫をどこかに預けるのは不安です。どうしたらよいでしょうか」と相談があった。
このときの訪問看護師が提案する A さんへのサービスで最も適切なのはどれか。
1. 通所介護
2. 訪問介護
3. 短期入所生活介護
4. 訪問リハビリテーション
サービス導入後1か月。今朝、妻から訪問看護師に「夫の身体が震えています。よだれを垂らして、目が合わないです」と連絡があった。訪問看護師が訪問すると、A さんの震えは止まっており、A さん自身は「何が起きていたのか覚えていない」と言う。訪問時の体温 36.0 ℃、呼吸数 18/分、脈拍 82/分、血圧 130/62 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO₂>95 %(room air)であった。妻によると、2日間排便がなく、尿量 1,500 mL/日、尿の性状は黄色透明とのことだった。妻からの連絡時に A さんに起きていたと考えられる状態はどれか。
1. 感 染
2. 脱 水
3. 便 秘
4. けいれん
A さんは入院したが、状態が安定し入院後3日で退院することが決まった。長女が「父が退院したら、母の腰痛が心配なので、私が父のポータブルトイレへの移動を手伝いたいと思います。介助の方法を教えてください」と訪問看護師に相談があった。
訪問看護師が長女に指導するベッドからポータブルトイレへの移乗の介助方法で正しいのはどれか。
1. ポータブルトイレをAさんの麻痺側に設置する。
2. ベッドから立ち上がる際はAさんに前傾姿勢になってもらう。
3. A さんの健側に立って介助する。
4. A さんの向きを変えるときはズボンのウエスト部分を持つ。