A さん(64 歳、女性、主婦)は、50 歳で高血圧症と診断され、降圧薬を服用している。栄養指導を受け、食事療法も実施している。趣味はサイクリングと海外旅行である。数か月前からサイクリング中に息苦しさやめまいを感じるようになったため、かかりつけ医から紹介された病院を受診した。
外来受診時のバイタルサインは、体温36.8 ℃、呼吸数 24/分、脈拍 40/分、血圧 96/52 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>98 %(room air)。
A さんは完全房室ブロックが疑われた。
A さんに行われる検査で優先されるのはどれか。
1. 心臓超音波検査
2. 12 誘導心電図検査
3. 心臓カテーテル検査
4. 運動負荷心電図検査
心電図検査は心臓の電気活動を記録し、心臓のリズム障害を診断する基本的なツールです。完全房室ブロックでは、心房から心室への電気信号の伝達が完全に遮断されている状態を示し、心電図でその特徴を捉えることができます。
検査の結果、A さんは完全房室ブロックと診断された。
今後、A さんに起こりやすいのはどれか。
1. 脳虚血
2. 肺塞栓症
3. 不安定狭心症
4. 心タンポナーデ
完全房室ブロックは、心臓の電気信号が心房から心室へ正常に伝わらない状態を指します。この状態では、心室が自身のリズムで独立して拍動することになり、心拍数が著しく低下することがあります。これにより、心臓のポンプ機能が低下し、体全体への血液供給が不十分になる可能性があります。
この状況では、体の様々な部位、特に血流が低下しやすい臓器への影響が考えられますが、「1. 脳虚血」が起こりやすい状態です。脳虚血は、脳への血流が不足することにより発生する状態で、完全房室ブロックによる心拍数の低下と心臓のポンプ機能の低下が原因で脳への血液供給が不足することがあります。
その後、A さんにはペースメーカー植込み術が行われ、看護師は退院後の電磁干渉について説明を行った。A さんからは「生活の中でどのようなことに注意をすれば良いですか」と質問があった。
A さんが最も注意する必要がある状況はどれか。
1. 新幹線への乗車
2. パーソナルコンピュータの使用
3. 電動アシスト付き自転車での移動
4. 電子商品監視装置<Electronic Article Surveillance:EAS>の通過
ペースメーカー植込み術を受けた後、電磁干渉に関する注意は非常に重要です。ペースメーカーは電磁場の影響を受けやすく、特定の電子機器や環境がペースメーカーの動作に影響を及ぼす可能性があります。選択肢の中で、ペースメーカー搭載者が最も注意する必要がある状況は「4. 電子商品監視装置