A さん(23 歳、女性)は大学を卒業後、会社に就職して1人暮らしを始めた。入社後に「会社の制服が似合うようになりたい」とダイエットを始め、次第にるいそうが目立つようになった。「太るのが怖い」と言って食事を拒否するようになり、体重は1年間で 10 kg 減少した。
しかし、本人は「まだ太っているから、痩せないといけない」と話していた。久しぶりに A さんと会った母親が、過度のるいそうを心配して、内科受診を勧めた。内科ではるいそう以外に大きな異常を認めず、精神科受診を勧められた。
精神科では神経性無食欲症と診断され、外来通院を開始した。その後、低血糖によるふらつきのため職場で頻回に転倒するようになった。それでも食事を十分に摂らないため、精神科病棟へ入院した。入院時、身長 166 cm、体重 36 kg であった。入院後、食事のほかに点滴による栄養補給が始まった。

治療開始早期に看護師が最も注意すべき観察項目はどれか。

1. 脱 毛

2. 浮 腫

3. 抑うつ

4. 嚥下障害

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入院後2週が経過した。食事のときに A さんは食べ物を細かく刻み、1時間以上時間をかけるが、摂取量は全体の 25 % 程度である。時間があるとベッド上でいつもストレッチを行っている。A さんと話し合ったところ「私はこの病棟で太っているほうだから少しでも痩せなきゃ」と話した。

看護師の関わりとして適切なのはどれか。

1. 体重測定の回数を増やす。

2. 鏡でAさんの全身を映して見せる。

3. 痩せたいと思う気持ちについて話し合う。

4. A さんは他の患者よりも痩せていると伝える。

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入院後3か月が経過した。A さんは体重が 41 kg まで増加し、主治医と相談して、退院の準備をすることになった。看護師に対して、A さんは「退院後はすぐに仕事をしたい」と話したが、母親は「ゆっくり自宅で休養してほしい」と話した。母親の面会時に、今後の仕事や生活に関する話題が出ると、A さんはイライラして母親と口論になることが多くなった。父親は仕事が忙しいことを理由に、面会に来たのは一度のみであった。

今後導入する必要性が最も高いのはどれか。

1. 家族療法

2. 作業療法

3. 自律訓練法

4. 精神分析療法

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