A ちゃん(2歳 10 か月、女児)は昨日から下痢と嘔吐を繰り返し、食事が摂れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎による中等度の脱水症と診断され入院した。入院時、体温 38.2 ℃、呼吸数 36/分、心拍数 136/分であった。3日前の保育所の身体計測では身長 90 cm、体重 12.5 kg であった。
A ちゃんにみられる状態はどれか。
1. 昏睡状態である。
2. 流涙は普段と変わらない。
3. 体重は3日前と変わらない。
4. 排尿頻度は普段通りである。
5. 皮膚のツルゴールは低下している。
この選択肢は、脱水によって引き起こされる皮膚のタルゴール(皮膚の弾力性)の低下を指しています。脱水が進行すると、皮膚をつまんだ時に元に戻る速度が遅くなり、これが脱水の一つの典型的な兆候です。
A ちゃんは、個室隔離での入院となり、持続点滴静脈内注射が開始された。排泄が自立していないため普段から紙オムツを使用している。
A ちゃんのオムツ交換における注意点について、入院に付き添う母親への看護師の説明で適切なのはどれか。
1. 布オムツに切り替える。
2. 使い捨て手袋は1日1回交換する。
3. オムツ交換後に石けんで手洗いを行う。
4. アルコール入りのおしり拭きで殿部の清拭を行う。
この選択肢は、感染予防と衛生維持に直接関連しており、ウイルス性胃腸炎の拡散を防ぐために最も基本的かつ効果的な方法の一つです。手洗いは、病原体の除去に効果的であり、看護師としては母親にこれを徹底するよう指導することが重要です。
入院2日。A ちゃんは、水様便は続いているが嘔吐はなくなった。付き添ってる母親は「A は大泣きして、ストレスが溜まっているみたいです。アイスクリームを食べたいみたいです」と看護師に話した。
このときに看護師が母親に伝える内容で適切なのはどれか。
1. プレイルームで遊べること
2. アイスクリームを食べてよいこと
3. 個室隔離が明日、解除されること
4. A ちゃんの好きなおもちゃを自宅から持参してよいこと
5. A ちゃんが静かに過ごせるよう看護師の訪室を控えること
この選択肢は、慣れ親しんだおもちゃを持ってくることで、病院での滞在を少しでも心地よいものにするための効果的な方法です。