A ちゃん(6歳、男児)は父親(50歳、会社員)、母親(48歳)、姉(11歳)と4人で暮らしている。Duchenne<デュシェンヌ>型筋ジストロフィーで身体障害者手帳(肢体不自由1級)が交付されている。
喀痰吸引、胃瘻による経管栄養が必要で、訪問看護を週に2回利用している。まばたきの回数で「はい」と「いいえ」の意思表示はできるが、視線や上肢の動きには誤動作もあり、構音障害もあるため家族以外では意思の判断が難しい。
また、手指での細かい操作はできない。A ちゃんは次年度から姉と同じ小学校の特別支援学級に通い、通常の学級の児童と交流の予定がある。
入学時に担任がAちゃんの意思を確認する方法で最も適切なのはどれか。
1. 五十音の文字盤を用いて A ちゃんが指でさした文字を1文字ずつ読み取る。
2. 視線で入力できる意思伝達装置を用いて A ちゃんに文字を入力してもらう。
3. 閉じた質問<closed question>をして A ちゃんのまばたきの回数を確認する。
4. 感情を絵で表現したカードを見せてAちゃんが指でさしたカードを確認する。
Aちゃんはまばたきの回数で「はい」と「いいえ」の意思表示ができるため、閉じた質問をすることで確実に意思を確認することができます。この方法はAちゃんのコミュニケーション能力に適しており、誤動作や構音障害があっても意思を明確に伝えることができます。
A ちゃんが小学校に入学して6か月が経過した。小学校への送迎は母親が行っており、学内での喀痰吸引や経管栄養の注入は小学校に配置されている看護師が行っている。A ちゃんは体調も安定しており、小学校での生活にも慣れてきた。Aちゃんの母親は「夫は朝早く出勤し、長女もまだ小さく、A を小学校に連れて行くまで忙しくて大変です」と訪問看護師に話した。訪問看護師は保健所の保健師に相談し、A ちゃん宅で家族も含めて A ちゃんが利用できる支援サービスを検討することにした。
A ちゃんと家族に利用を勧める支援サービスで適切なのはどれか。
1. 児童発達支援
2. 重度訪問介護
3. 放課後等デイサービス
4. 短期入所<ショートステイ>
重度訪問介護は、重度の障害を持つ人が自宅で生活するために必要な介護や支援を提供するサービスです。Aちゃんのようにデュシェンヌ型筋ジストロフィーで喀痰吸引や経管栄養が必要な子供に対して、日常生活全般の支援を行うことができます。これにより、母親の負担を軽減し、Aちゃんが安心して生活できる環境を整えることができます。
A ちゃんは入学して1度も入院することなく2年生になった。A ちゃんの母親はケアに必要な物品を学校の看護師に渡す際に「A は学校に通うようになり、お友達が増えて本当によかったと思います。それに比べて私は仕事をしていないし、Aに友達ができた喜びや日々の苦労を理解してもらえる友達がいません。A の同級生の親には年齢が近くて話しやすい人がいません」と話した。
A ちゃんの母親への提案で最も適切なのはどれか。
1. 「学校の行事に参加してみませんか」
2. 「短時間でも仕事を始めてはいかがですか」
3. 「お姉ちゃんのお友達の親に話しかけてみませんか」
4. 「障害のある子どもを持つ家族の会に参加してみませんか」
Aちゃんの母親は、自身の孤独感や支援を得られない状況について話しています。障害のある子どもを持つ家族の会に参加することで、同じような経験をしている親たちと交流し、共感や支援を得ることができます。このようなグループは、情報交換や感情的な支えを提供する場として非常に有用です。