23 歳の女性。発熱を主訴に紹介されて来院した。

現病歴 : 3日前の朝、38.2 ℃の発熱を認めた。市販の解熱鎮痛薬を内服すると、一時的に体温は 37 ℃台前半まで解熱したが、数時間して再び 38.5〜40 ℃に上昇した。今朝からは、悪寒、戦慄を伴う 40 ℃台の発熱が続いたため自宅近くの診療所を受診した。腰部が重苦しいが、頭痛、咽頭痛、鼻汁、咳嗽、胸痛、腹痛および下痢の症状はない。インフルエンザウイルス迅速抗原検査と胸部エックス線撮影で異常を認めなかった。発熱の原因精査のため同時に施行した尿検査と血液検査の結果を持参し、紹介されて受診した。

既往歴 : 小児期にアトピー性皮膚炎。8歳時に中耳炎。

生活歴 : 営業担当事務職員。両親と弟の4人暮らし。

家族歴 : 10 日前に弟が胃腸炎で3日間療養した。

検査所見(持参したもの) : 尿所見:蛋白(+)、糖(-)、潜血1+、白血球2+。赤沈 65 mm/時間。血液所見:赤血球 430万、Hb 13.5 g/dL、Ht 40%、白血球 12,000(桿状核好中球 15%、分葉核好中球 60%、好酸球 1%、単球 6%、リンパ球 18 %)、血小板 38万。血液生化学所見:総蛋白 7.0 g/dL、アルブミン 4.2 g/dL、AST 28 IU/L、ALT 35 IU/L、LD 210 IU/L (基準 176〜353)、ク レアチニン0.7mg/dL、尿素窒素 14 mg/dL、Na 138 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 105 mEq/L。CRP6.5 mg/dL。

現症 : 意識は清明。身長 165 cm、体重 46 kg。体温 39.1 ℃。脈拍 96/分、整。血圧 106/60 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。


この患者でみられる可能性が高い身体所見はどれか。

a. 頰部の叩打痛

b. Murphy 徴候

c. 視神経乳頭浮腫

d. 肋骨脊柱角叩打痛

e. McBurney 点の圧痛

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次に実施すべき検査はどれか。

a. 副鼻腔CT

b. 呼吸機能検査

c. 腹部超音波検査

d. 腰椎エックス線撮影

e. 67Ga シンチグラフィ

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)