68歳の男性。皮膚の黄染と食欲不振を主訴に来院した。精査の結果、閉塞性黄疸を合併する膵頭部癌と診断された。

身長 168 cm、体重 53 kg (3か月間で 5kg の体重減少)。体温 36.6 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 110/78 mmHg。呼吸数 16/分。

血液所見:赤血球 398 万、Hb 11.9 g/dL、Ht 39 %、白血球 7,400、血小板 34 万。血液生化学所見:総蛋白 6.0 g/dL、アルブミン 3.4 g/dL、総ビリルビン 2.7 mg/dL、AST 56 U/L、ALT 48 U/L、γ-GTP 76 U/L (基準 8〜50)、尿素窒素 13 mg/dL、クレアチニン 0.4 mg/dL、血糖 84 mg/dL、HbA1c 6.0 % (基準 4.6〜6.2)、総コレステロール 194 mg/dL、トリグリセリド 78 mg/dL、アミラーゼ 96 IU/L (基準 37〜160)、CEA 7.5 ng/mL (基準 5 以下)、CA19-9 107 U/mL (基準 37 以下)。内視鏡的に閉塞部胆管にステントを留置し、黄疸の軽減を待って膵頭十二指腸切除術を施行することとなった。

この患者の周術期について正しいのはどれか。

a. 術前のサルコペニアは術後の経過に影響しない。

b. 術前1週間の絶飲食が必要である。

c. 術後早期は高血糖を呈しやすい。

d. 術後早期の疼痛緩和は回復を遅延する。

e. 術後1週間以内の経腸栄養は禁忌である。

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)