問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
11歳の男児。転倒して頭部を受傷したために母親に連れられて来院した。30分前にプールサイドで転倒し右の側頭部から頭頂部を段差の角に打ち付けたとのことである。
来院時、意識は清明。体温36.2℃。脈拍92/分、整。血圧118/80mmHg。呼吸数20/分。右の側頭部の頭皮に出血を伴う挫傷がある。神経学的所見に異常を認めない。来院時の頭部エックス線写真と頭部単純CTとを別に示す。その後、外来で頭皮挫傷の消毒処置を行っていたところ、意識障害が急速に進行し、JCSⅢ-100、左瞳孔の散大と対光反射消失とをきたしたため、気道、呼吸および循環の補助を開始した。
この時点で直ちに行うべき検査はどれか。
a. 脳波
b. 頭部CT
c. 頭部MRI
d. 腰椎穿刺
e. 脳血管撮影
頭部外傷後の急性硬膜下血腫の症例。血腫の増大により意識障害が生じたと思われる。
頭部CTで確認する必要あり。
腰椎穿刺は禁忌。