問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
77歳の男性。易転倒性と認知症とを主訴に来院した。1年前から歩行速度が遅くなっていた。1か月前から転倒や物忘れも出てきたため、心配した家族に連れられて受診した。
意識は清明。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧148/82mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。Mini-Mental State Examination(MMSE)は22点(30点満点)。上下肢の筋力と腱反射とに異常を認めない。病的反射と感覚障害とを認めない。歩行はすり足、小刻みで、歩隔は広い。頭部MRIのT1強調冠状断像を別に示す。
治療として適切なのはどれか。
a. 深部脳刺激療法
b. ドネペジル内服
c. 脳室腹腔短絡術
d. メマンチン内服
e. レボドパ(L-dopa)内服
正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus:NPH)の症例。
正常圧水頭症の3徴は
N - 認知症
P - pee →尿失禁
H - 歩行障害
a 深部脳刺激療法→パーキンソン病や本態性振戦に対し行う。
深部脳刺激療法(DBS)について - 名古屋市立大学 脳神経外科学
b ドネペジル(アリセプト®)→アルツハイマー型認知症治療薬。
アリセプトとは - 認知症ねっと
c 正解 脳脊髄液を腹腔に逃がし減圧する。
d メマンチン(メマリー®)→アルツハイマー型認知症治療薬。
メマリーとは - 認知症ねっと
e レボドパ→抗パーキンソン病薬
パーキンソン病患者は脳内のドパミンが不足→レボドパはドパミンの前駆体。