問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
10歳の男児。左膝の痛みを主訴に来院した。3か月前にサッカーの練習中に膝の痛みを自覚した。その後、徐々に疼痛が強くなり腫脹も出現したため自宅近くの診療所を受診していた。左膝関節エックス線写真で異常陰影が認められたため、紹介されて受診した。
荷重時に疼痛があり、松葉杖をついている。左の大腿遠位から膝にかけて腫脹があり、同部にびまん性に圧痛を認める。安静時痛は軽度で、左膝関節の自動可動域は伸展 -30°、屈曲 90°である。
赤沈 7mm/1時間。血液所見:赤血球 502万、Hb 13.6 g/dL、白血球 8,900。血液生化学所見:LD 417 IU/L(基準 176~353)、ALP 1,259 IU/L(基準 359~1,110)、プロカルシトニン 0.05 ng/mL以下(基準 0.05)以下。CRP 0.9 mg/dL。左膝関節エックス線写真正面像と側面像とを別に示す。
最も考えられる疾患はどれか。
a. 骨肉腫
b. 疲労骨折
c. 骨端離開
d. 骨軟骨腫
e. 硬化性骨髄炎
レントゲン上、骨硬化像と骨膜反応を認める。
骨原発の悪性腫瘍である骨肉腫を選ぶ。