問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
33歳の男性。増殖前糖尿病網膜症の治療を目的とし紹介されて来院した。10年前から健康診断で尿糖陽性を指摘されていたが自覚症状がないためそのままにしていた。最近、視力低下を自覚したため自宅近くの眼科を受診した。増殖前糖尿病網膜症と診断され、紹介されて受診した。父親が糖尿病で治療中である。
身長 172 cm、体重 64 kg。脈拍 88/分、整。血圧 176/92 mmHg。
尿所見:蛋白 4+、糖3+。血液生化学所見:総蛋白 6.5 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、クレアチニン 1.8 mg/dL、空腹時血糖 176 mg/dL、HbA1c 8.5%(基準 4.6~6.2)。
眼科的治療を開始するとともに行うべきなのはどれか。2つ選べ。
a. 積極的な運動療法を勧める。
b. ビグアナイド薬を投与する。
c. 塩分の摂取制限を指導する。
d. 蛋白質の積極的な摂取を勧める。
e. 少量のインスリンの分割投与を開始する。
a 運動による血圧変動が網膜の血管に作用し出血を引き起こす場合がある。
b ビグアナイド薬は腎機能不良なので推奨されない。この場合はDPP4阻害薬が1st。
c 正解
d 腎機能低下なのでタンパク質は制限する。
e 正解