60歳の男性。胸部痛を主訴に来院した。
現病歴:1か月前から持続性の右胸部痛が出現した。1週前から息切れも自覚するようになった。自宅近くの医療機関を受診し、胸部エックス線写真で異常を認めたため紹介されて受診した。
既往歴:胃潰瘍の治療歴あり。
生活歴:喫煙は20本/日を40年間。飲酒はビール 350mL/日を40年間。
家族歴:父親が糖尿病で治療中。
現症:意識は清明。身長 161 cm、体重 59 kg。体温 36.6 ℃。脈拍 80/分、整。血圧 126/82 mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 97%(room air)心音に異常を認めない。呼吸音は右側で減弱している。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。
検査所見:血液所見:赤血球 480万、Hb. 15.4 g/dL、Ht 44%、白血球 8,500、血小板 40万。血液生化学所見:総蛋白 7.3 g/dL、アルブミン 3.0 g/dL、総ビリルビン 0.4 mg/dL、AST 25 U/L、ALT 25 U/L、LD 337 U/L(基準 176~353)、ALP 369 U/L(基準 115~359)、γ-GTP 60 U/L(基準 8~50)、尿素窒素 10 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、尿酸 5.8 mg/dL、血糖 96 mg/dL、Na. 140 mEq/L、K 4.2 mEq/L、Cl 105 mEq/L、CEA 1.7 ng/mL(基準 5以下)、CYFRA 1.1 ng/mL(基準 3.5以下)、CA19-9 8.8 U/mL(基準 37以下)。CRP 4.6 mg/dL。胸部エックス線写真と胸部CTとを別に示す。
診断のため追加して確認すべきなのはどれか。
a. 職業歴
b. 手術歴
c. 海外渡航歴
d. 歯科治療歴
e. ペット飼育歴
胸膜中皮腫はアスベスト暴露が原因である。
a. 心エコー
b. 胸腔穿刺
c. 呼吸機能検査
d. 気管支内視鏡検査
e. 上部消化管内視鏡検査
胸水細胞診や胸水ヒアルロン酸を参考にすることが多い。
確定診断は胸膜組織診である。
a. 膿瘍
b. 腫瘍
c. 嚢胞
d. 胸膜炎
e. 胸膜プラーク
胸膜中皮腫は腫瘍である