問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
38歳の男性。全身の筋肉痛と倦怠感とを主訴に来院した。生来健康だったが、半年ほど前に脂質異常症であることが判明し、自宅近くの診療所で内服治療を行っていた。3か月前から治験に参加し、治験担当医でもあるかかりつけ医から治験薬を投与されていた。3日前から全身に軽度の筋肉痛があり倦怠感が出てきたため、夕食後に総合病院の救急外来を受診した。
血液生化学所見:CK 400IU/L(基準30~140)、尿素窒素20mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL。治験担当医に連絡をしようとしているときに、患者から「今日の夕食後の治験薬をまだ飲んでいないがどうすれば良いか」と質問された。
救急外来の医師の対応として適切なのはどれか。
a. 「内服を寝る前に変更してください」
b. 「いつもの時間で内服してください」
c. 「鎮痛薬と一緒に内服してください」
d. 「明日の朝食後から内服してください」
e. 「担当医と連絡がとれるまで内服しないでください」
治験において、副作用の出ている薬の内服指示はするべきでない。
上記問題の治験薬は、脂質異常症の治療薬であるスタチン系orフィブラート系と思われる。副作用である横紋筋融解症(頻度0.01%)は有名ですね。
因みに筋肉痛の副作用は5%と多いので、日常診療でも遭遇します。
脂質異常症の治療薬で横紋筋融解症の副作用があるようですが、よく見られるものですか - 日本心臓財団
エパチーくん