72歳の男性。突然の背部痛と冷汗とを主訴に来院した。
現病歴:本日午後2時、庭仕事中に突然の背部痛と冷汗とを自覚した。背部痛は、痛み始めが最も強く、腰部へ移動した。症状が続くため受診した。
既往歴:53歳時に高血圧症を指摘され自宅近くの診療所に通院中である。
生活歴:夫婦2人暮らし。現在は無職。喫煙は70歳まで25本/日を50年間。飲酒は機会飲酒。
現症:意識は清明。身長158cm、体重60kg。脈拍120/分、整。右上肢血圧178/90mmHg、左上肢血圧172/92mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球450万、Hb. 13.8g/dL、Ht 42%、白血球11,800(桿状核好中球22%、分葉核好中球40%、好酸球2%、好塩基球1%、単球7%、リンパ球28%)、血小板18万。血液生化学所見:総蛋白6.0g/dL、AST 52IU/L、ALT 55IU/L、LD 290IU/L(基準176~353)、尿素窒素32mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、CK 98IU/L(基準30~140)。胸部CT水平断像、腹部CT水平断像及び胸腹部CT矢状断像を別に示す。
CTで認められるのはどれか。
a. 胸水
b. 腹腔内出血
c. 大動脈解離
d. 腎実質血流の途絶
e. 血管内腔への腫瘍性病変の進展
大動脈が裂けています。
この時点の治療で適切なのはどれか。
a. 降圧療法
b. 腎血管形成術
c. 冠動脈形成術
d. 心臓リハビリテーション
e. t-PA(tissue. plasminogen activator)の投与
下行大動脈のみの解離。stanford B型なので保存的治療