89歳の女性。左膝の痛みを主訴に来院した。
現病歴:3日前から左膝の痛みと38℃の発熱が出現した。様子をみていたが症状が改善しないため家族とともに受診した。
既往歴:右変形性膝関節症。生活歴:息子家族と同居。自宅周辺は押し車で散歩する。
家族歴:妹が関節リウマチ。
現症:意識は清明。体温38.7℃。脈拍96/分、整。血圧138/56mmHg。呼吸数18/分。SpO2 97%(room air)。咽頭に発赤を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。左膝関節に発赤、熱感、腫脹、圧痛および膝蓋跳動を認める。
検査所見:血液所見:赤血球404万、Hb. 12.1g/dL、Ht 36 %、白血球6,300、血小板16万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、アルブミン3.4g/dL、総ビリルビン0.6mg/dL、AST 14IU/L、ALT 11IU/L、LD 168IU/L(基準176~353)、尿素窒素20mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL、尿酸5.3mg/dL。CRP 2.1mg/dL。左膝関節エックス線写真を撮影後に左膝関節を穿刺し、関節液は黄色混濁である。左膝関節エックス線写真と膝関節刺液のGram染色標本とを別に示す。
次に行うべき検査はどれか。
a. 膝関節造影
b. 膝関節MRI
c. 膝関節鏡検査
d. 67Gaシンチグラフィ
e. 関節液偏光顕微鏡観察
偽痛風発作の症例。
貪食された結晶(ピロリン酸カルシウム)を認める。
まず選択すべき治療はどれか。
a. 抗菌薬の内服
b. 抗リウマチ薬の内服
c. ヒアルロン酸の関節内投与
d. 副腎皮質ステロイドの関節内投与
e. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服
ステロイドを使うこともあります。