問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
38 歳の女性。眼が見えにくいことを主訴に来院した。2年前から左眼の見えにくさを自覚し、3か月前から右眼も見えにくくなっている。3年前から無月経になっている。
意識は清明。身長 164 cm、体重 67 kg。体温 36.1 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 132/76 mmHg。呼吸数 16/分。眼底は正常で、眼球運動に制限はなく、対光反射は正常である。
血液所見に異常を認めない。血液生化学所見:TSH 1.3μU/mL (基準 0.2〜4.0)、LH 2.4 mIU/mL(基準 1.8〜7.6)、ACTH 29.5 pg/mL(基準 60 以下)、FSH 6.5 mIU/mL(基準 5.2〜14.4)、GH 0.1 ng/mL (基準5以下)、プロラクチン 34.8 ng/mL(基準 15 以下)、FT4 0.9 ng/dL(基準 0.8〜2.2)、インスリン様成長因子-Ⅰ<IGF-Ⅰ> 178 ng/mL(基準 155〜588)、コルチゾール11.2 μg/dL(基準 5.2〜12.6)。矯正視力は右 0.1、左 0.08。視野検査の結果、頭部造影 MRI の冠状断像及び矢状断像を別に示す。
適切な治療はどれか。
a. ガンマナイフ
b. 視神経管開放術
c. オクトレオチド投与
d. ブロモクリプチン投与
e. 経蝶形骨洞的腫瘍摘出術
下垂体腫瘍により両耳側半盲と高プロラクチン血症を認めている。