問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
45歳の男性。3時間前に左下肢を耕うん機に挟まれたため救急車で搬入された。現場で副子固定を受けている。1年前の人間ドックでは特に異常を指摘されていない。
意識は清明。心拍数 88/分、整。血圧 100/60 mmHg。SpO2 100 %(リザーバー付マスク 10 L/分 酸素投与下)。開放創は土壌で軽度に汚染され脛骨の骨片が露出している。後脛骨動脈の脈拍を触知し、足底の感覚は保たれているが、足背は感覚が脱失し、足趾は背屈不能である
血液所見:赤血球 433 万、Hb 14.2 g/dL、白血球 4,200。血液生化学所見:総蛋白 6.5 g/dL、CK 253 U/L(基準 30〜140)、尿素窒素 20 mg/dL、クレアチニン 1.2 mg/dL。CRP 0.1 mg/dL。下肢の写真とエックス線写真とを別に示す。直ちに輸液を開始し、麻酔下で創部の洗浄を行った。
次に行うべき処置はどれか。
≪下肢の写真 掲載不可≫骨が露出している外傷。
a. 植皮
b. 血管吻合
c. 大腿切断
d. 神経縫合
e. デブリドマン
下腿の開放骨折。汚染創。
まずはデブリドマン。
aとdは全身状態が落ち着いたらやりましょう。
現状では切断は必要なし。