問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
83 歳の女性。全身の衰弱のため、心配した介護施設の職員に伴われて来院した。2か月前から介助がないと立ち上がれなくなった。1か月前からさらに活気がなくなり、1週間前から食事量も減少してきた。脳梗塞後遺症の左不全片麻痺、高血圧症、脂質異常症、骨粗鬆症および便秘のため、アスピリン、カルシウム拮抗薬、スタチン<HMG-CoA 還元酵素阻害薬>、活性型ビタミンD、酸化マグネシウム及びプロトンポンプ阻害薬を内服している。
意識レベルは JCSⅠ-2。血圧 126/62 mmHg。
尿所見:蛋白(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 302 万、Hb 9.7 g/dL、Ht 30 %、白血球 5,700、血小板 14 万。血液生化学所見:総蛋白 6.3 g/dL、アルブミン 3.3 g/dL、AST 11 U/L、ALT 16 U/L、CK 97 U/L(基準 30〜140)、尿素窒素 28 mg/dL、クレアチニン 2.8 mg/dL、LDL コレステロール 120 mg/dL、Na 134 mEq/L、 K 4.5 mEq/L、Cl 100 mEq/L、Ca 12.5 mg/dL、P 3.1 mg/dL、Mg 2.5 mg/dL(基準 1.8〜2.5)。
この患者の衰弱の原因として最も考えられる薬剤はどれか。
a. アスピリン
b. 活性型ビタミンD
c. カルシウム拮抗薬
d. 酸化マグネシウム
e. スタチン<HMG-CoA 還元酵素阻害薬>
薬剤性の高カルシウム血症の症例である。