問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
45 歳の男性。職場の廊下で倒れているところを同僚に発見され救急車で搬入された。同僚や家族によると最近、ときに異常な言動がみられたという。常用薬はない。
身長 172 cm、体重 84 kg (ともに家族からの情報)。体温 36.5 ℃。心拍数 110/分、整。血圧 140/70 mmHg。呼吸数 18/分。呼びかけにかすかにうなずき、痛み刺激に反応する。全身の発汗が著明である。胸腹部に異常を認めない。
血液生化学所見:血糖 28 mg/dL、Na 138 mEq/L、K3.7 mEq/L、Cl 99 mEq/L、空腹時インスリン<IRI>42 μU/mL(基準 17 以下)、空腹時 C ペプチド 5.6 ng/dL(基準 0.6〜2.8 以下)。心電図、胸腹部エックス線写真、腹部超音波検査および頭部CTで異常を認めない。
鑑別診断に必要な検査はどれか。2つ選べ。
a. 血中カテコラミン濃度の測定
b. 血中抗インスリン抗体の測定
c. 血中グルカゴン濃度の測定
d. 血中コルチゾール値の測定
e. 腹部造影 CT
血糖値が28mg/dlと低血糖を認める。また、空腹時インスリンと空腹時Cペプチドが高値であるため、インスリンが過剰産生されている病態を考える。
beが正解。