問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
出生直後の新生児。早産児のために NICU に入院した。母親は前期破水のため2日前から入院していた。在胎 26 週、出生体重 980 g で経腟分娩で出生した。Apgar スコアは4点(1分)。体温 37.3 ℃。心拍数 160/分、整。呼吸数 50/分。SpO2 90 %(哺育器内の酸素濃度 30 %)。大泉門は平坦。呻吟と肋間腔の陥没とを認める。
考えられる疾患はどれか。2つ選べ。
a. 先天性肺炎
b. 呼吸窮迫症候群
c. 胎便吸引症候群
d. 新生児一過性多呼吸
e. Wilson-Mikity 症候群
c 胎便吸引症候群。過期産児によくみられる。
d 新生児一過性多呼吸。出生後、肺の過剰な液体による一時的な呼吸困難。帝王切開後に起こりやすい。
e Wilson-Mikity 症候群。未熟児の慢性呼吸障害であり、生まれた直後には呼吸障害は見られないが、数日~数週間で呼吸困難を呈する。経過より間違い。