56歳の男性。肝臓の腫瘤性病変の精査のため入院中である。C型肝炎の経過観察中に行った腹部超音波検査で肝臓に腫瘤性病変が見つかったため入院した。入院後に腹部造影 CT を施行したところ、入院時 1.1 mg/dL であった血清クレアチニン値が造影検査後日目に 3.0 mg/dL に上昇した。入院後に新たな薬剤投与はなく、食事は毎日全量摂取できており、体重は安定していた。体温、脈拍、血圧、呼吸数ともに正常範囲で、排尿回数も5、6回/日で変わらなかった。

造影検査後2日目の検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に赤血球1〜4/1視野、白血球1〜4/1視野。血液所見:赤血球 302 万、Hb 10.4 g/dL、Ht 31 %、白血球 4,600、血小板 16 万。血液生化学所見:総ビリルビン 1.4 mg/dL、直接ビリルビン 0.8 mg/dL、AST 45 U/L、ALT 62 U/L、LD 360 U/L (基準 176〜353)、ALP 380 U/L(基準 115〜359)、γ-GTP 110 U/L(基準8〜50)、 尿素窒素 43 mg/dL、クレアチニン 3.0 mg/dL、尿酸 8.8 mg/dL、Na 136 mEq/L、 K 5.2 mEq/L、Cl 100 mEq/L、Ca 8.2 mg/dL、P 6.2 mg/dL。CRP 0.3 mg/dL。 腹部超音波検査では両腎に水腎症を認めない。

対応として正しいのはどれか。

a. 緊急血液透析

b. 経時的な腎機能評価

c. 尿道カテーテル留置

d. 腹部造影 CT の再施行

e. 動静脈シャント造設術の準備

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)