47歳の女性。腹部膨満を主訴に来院した。20 歳台からアルコールの多飲歴があり、1週間前までワイン1本/日を飲んでいた。3日前から腹部膨満が出現し食事が摂れなくなったため受診した。
意識は清明。身長 156 cm、体重 49 kg。体温 36.3 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 106/60 mmHg。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に軽度黄染を認める。頸部から胸部にかけて赤い放射状の皮疹を多数認め、圧迫によって消退する。腹部は膨満しているが圧痛を認めない。下肢に浮腫を認める。
血液所見:赤血球 325 万、Hb 9.4 g/dL、Ht 31 %、白血球 4,000、血小板 7.0 万、PT-INR 1.4(基準 0.9〜1.1)。血液生化学所見:総蛋白 5.9 g/dL、アルブミン 2.5 g/dL、総ビリルビン 3.2 mg/dL、直接ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 56 U/L、ALT 40 U/L、ALP 280 U/L(基準 115〜359)、γ-GTP 24 U/L(基準8〜50)、アンモニア 185 μg/dL(基準 18〜48)、尿素窒素 35 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、Na 131 mEq/L、K3.6 mEq/L、Cl 97 mEq/L、α-フェトプロテイン(AFP) 3.1 ng/mL(基準 20 以下)。免疫血清学所見:CRP 1.2 mg/dL、HBs 抗原陰性、HCV 抗体陰性。来院時の腹部CTを示す。経口摂取ができないため輸液を開始した。
初期輸液の Na+ 濃度(mEq/L)として適切なのはどれか。
a. 35
b. 77
c. 90
d. 130
e. 154
非代償性肝硬変への輸液。Naが多くてはいけない。