問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
35歳の男性。ふらつきを主訴に来院した。1年前に仕事上のトラブルをきっかけに退職した。その後は自宅に閉じこもりがちになり、食事は不規則で菓子パンやおにぎりを好んで摂取していた。1週間前から歩行時のふらつきが目立つようになり四肢のしびれ感も訴えるようになったため、心配した家族に付き添われて受診した。
意識は清明。脈拍 72/分、整。血圧 124/68 mmHg。腱反射は、上肢では減弱し、膝蓋腱反射とアキレス腱反射は消失している。Babinski 徴候は陰性である。四肢筋力は遠位部優位に低下している。両下肢で痛覚過敏、振動覚の低下を認める。
この患者に補充すべきなのはどれか。
a. 亜鉛
b. 葉酸
c. ニコチン酸
d. ビタミンB1
e. ビタミンB12
脚気の症例