56歳の女性。頭痛と発熱を主訴に来院した。2週間前に山菜採りに行き、その数日後から右耳介後部に水疱が出現した。4日前から頭痛と発熱が出現し、3日前に自宅近くの診療所を受診しセフェム系抗菌薬を処方されたが症状は改善しなかった。昨日から全身に発疹が出現した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。海外渡航歴はなく、ペット飼育歴もない。

意識は清明。体温 40.1 ℃。脈拍 108/分、整。血圧 150/82 mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 96 %(room air)。眼瞼結膜に異常を認めない。眼球結膜に充血を認める。口腔内粘膜に異常を認めない。頸部にリンパ節腫大を認めない。項部硬直を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。体幹部に赤色の小丘疹が散在しているが、癒合傾向を認めない。右耳介後面下部の写真を別に示す。

血液所見:赤血球 497 万、Hb 14.8 g/dL、Ht 46 %、白血球 2,400 分(葉核好中球 75 %、好酸球 0%、好塩基球 1%、単球 3%、リンパ球 21 %、異型リンパ球 0%)、血小板 11 万。血液生化学所見:総蛋白 6.5 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 1.6 mg/dL、AST 500 U/L、ALT 275 U/L、LD 881 U/L 基準 176〜353 、ALP 1,477 U/L (基準 115〜359)、γ-GTP 326 U/L (基準 8〜50)、アミラーゼ 73 U/L (基準 37〜160)、CK 86 U/L (基準 30〜140)、尿素窒素 10 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL。CRP 5.3 mg/dL。

最も考えられる疾患はどれか。

a. デング熱

b. マラリア

c. ツツガ虫病

d. 伝染性単核球症

e. レプトスピラ感染症

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)