問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
55歳の女性。右膝関節痛を主訴に来院した。5年前関節リウマチを発症し、最近は抗 IL-6 受容体抗体の投与により、関節リウマチのコントロールは良好であった。数日前から右膝関節痛が生じたため受診した。
体温 37.0 ℃。右膝に発赤、腫脹および熱感を認めるが、他の関節には腫脹、圧痛を認めない。
血液所見:赤血球 380 万、Hb 10.1 g/dL、Ht 31 %、白血球 9,800 (桿状核球 16 %、分葉核好中球 70 %、単球 4 %、リンパ球 10 % 、血小板 23 万。CRP 1.2 mg/dL。
初期対応として適切なのはどれか。
a. 関節穿刺
b. 抗菌薬の投与
c. 抗核抗体の測定
d. 関節 MRI の撮影
e. ステロイドパルス療法
関節穿刺は、関節内の炎症や感染、結晶沈着などの診断に有効であり、このケースでは関節リウマチ患者で新たに局所的な関節痛が見られるため、関節内感染(化膿性関節炎)などの除外が必要。
また、関節リウマチ患者は免疫抑制状態にあるため、感染症のリスクが高まっている。