52歳の男性。発熱を主訴に来院した。3日前に発熱と咳嗽および膿性痰が出現し、改善しないため来院した。5年前から糖尿病で内服治療中である。食事は普通に摂取でき、飲水もできている。
意識は清明。体温 39.1 ℃。脈拍 112/分、整。血圧 140/86 mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 97 %(room air)。左下胸部で coarse crackles を聴取する。
血液所見:白血球 17,900 (桿状核好中球 4 %、分葉核好中球 84 %、単球 2 %、リンパ球 10 %)。血液生化学所見:AST 62 U/L、ALT 54 U/L、尿素窒素 16 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL、血糖 150 mg/dL。CRP 10.6 mg/dL。喀痰 Gram 染色で Gram 陽性双球菌を認める。尿中肺炎球菌迅速抗原検査が陽性である。胸部エックス線写真を別に示す。
患者への説明として適切なのはどれか。
a. 「肺炎ですが重症ではないので外来で治療しましょう」
b. 「炎症反応が高く重症化しやすいので入院して治療しましょう」
c. 「肺炎球菌性肺炎は死亡率が高いので集中治療室に入室しましょう」
d. 「肝機能障害があり、重症化しやすいので入院して治療しましょう」
e. 「糖尿病を合併しており、重症化しやすいので入院して治療しましょう」
肺炎の重症度分類(A-DROPシステム)で評価をする問題。
下記5項目:当てはまる数で評価する。
Age: 男性70歳以上,女性75歳以上
Dehydration: BUN 21mg/dL以上または脱水あり
Respiration: SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)
Orientation: 意識障害
Pressure: 血圧(収縮期)90mmH以下
0項目 軽症→外来加療
1or2項目 中等度→外来or入院
3項目以上 重症→入院
今回の症例は0項目なので外来加療となる…
が、実際にこの症例を見たら入院させたくなりますね。