72歳の男性。左下肢痛を主訴に来院した。

現病歴:2年前から 500 m 程度歩行すると両側下腿に疼痛が出現し、1か月前からは 100 m 程度の歩行で両側下腿の疼痛を自覚するようになった。しばらく立ち止まってじっとしていると疼痛は軽快するが、足先に冷感としびれが残っていた。昨日、急に左足趾尖の安静時疼痛が出現し、我慢できなくなったため受診した。

既往歴:15 年前から高血圧症と脂質異常症のため医療機関にかかっていた。投薬を受けていた時期もあるが、60 歳の退職後は受診が滞っていた。

生活歴:妻と2人暮らし。摂食、排泄および更衣は自立している。喫煙は 20 本/日を 43 年間。飲酒は機会飲酒。

現症:意識は清明。身長 168 cm、体重 75 kg。体温 36.3 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 156/88 mmHg(右上肢)。呼吸数 20/分。SpO2 98 %(room air)。頸部と胸腹部に血管雑音を聴取しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。右足に色調変化はないが、左足は暗赤色に変色している。右の後脛骨動脈は触知するが、左では触知しない。


外来で足関節上腕血圧比 <ABI> を測定するために四肢の収縮期血圧を測定した。

この患者の測定値と考えられるのはどれか。

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この患者に経皮的血管形成術が施行され、抗血小板療法が開始された。患者の疼痛および冷感は消失し、歩行訓練を行っている。術後3日目に、治療と退院後の計画を立案するための病院内チームが作られることになった。

医師、看護師、薬剤師の他に、チームメンバーとして適切なのはどれか。

a. 理学療法士

b. 言語聴覚士

c. 臨床工学技士

d. 臨床検査技師

e. 診療放射線技師

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)