79歳の男性。咳嗽と呼吸困難を主訴に来院した。
現病歴:半年前から咳嗽と労作時の息切れを自覚するようになった。市販の鎮咳薬を服用して様子をみていたが、症状は持続していた。3日前から咳嗽の増加と呼吸困難の悪化とを自覚したため受診した。
既往歴:高血圧症。生活歴:喫煙は 15 本/日を 35 年間。55 歳で禁煙。飲酒は機会飲酒。
家族歴:特記すべきことはない。
現症:身長 162 cm、体重 59 kg。体温 36.5 ℃。脈拍 68/分、整。血圧 140/90 mmHg。呼吸数 22/分。SpO2 91 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は背側下胸部中心に fine crackles を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
検査所見:血液所見:赤血球 403 万、Hb 12.8 g/dL、Ht 31 %、白血球 7,700、血小板 18 万。血液生化学所見:AST 24 U/L、ALT 11 U/L、LD 442 U/L (基準 176〜353)、γ-GTP 16 U/L、尿素窒素 14 mg/dL、クレアチニン 0.5 mg/dL、尿酸 8.8 mg/dL、 Na 141 mEq/L、 K 3.9 mEq/L、 Cl 105 mEq/L、 KL-6 1,300 U/mL(基準 500 未満)。CRP 0.3 mg/dL。胸部 CTを別に示す。
診断に有用でないのはどれか。
a. 肺生検
b. 高分解能 CT
c. スパイロメトリ
d. 気管支肺胞洗浄
e. 気道過敏性試験
認められる可能性が高いのはどれか。
a. 高 CO2 血症
b. 一秒率の低下
c. 肺拡散能低下
d. A-aDO2 値の低下
e. 気道過敏性の亢進
間質性肺炎による拘束性障害。
拡散能低下を認める。