問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
78歳の男性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。半年前から労作時呼吸困難を自覚し、2週前から増悪しているという。
意識は清明。体温37.0℃。脈拍100/分、整。血圧146/84mmHg。呼吸数24/分。SpO2 88%(room air)。心音に異常を認めない。両側の背部にfine cracklesを聴取する。下腿に浮腫を認めない。胸部エックス線写真及び胸部CTを別に示す。
認められる可能性が高いのはどれか。
a. 一秒率低下
b. PaCO2上昇
c. A-aDO2開大
d. 血清LD低下
e. 血中サーファクタントプロテインD〈SP-D〉低下
肺線維症の症例。
a 一秒率低下は閉塞性障害でみられる。肺線維症は拘束性障害であるため誤り。
b PaCO2の上昇はⅡ型呼吸不全でみられる。肺線維症はⅠ型呼吸不全であるため誤り。
c 正解
d 肺の慢性的な炎症によりLDは上昇する。
e SP-Dは肺の線維化により血中に逸脱する。