問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
55 歳の男性。両足の浮腫を主訴に来院した。10 日前に両足の浮腫が出現し増悪したため受診した。
身長 170 cm、体重 75 kg(10 日前は 65 kg)。脈拍 100/分、整。血圧 92/56 mmHg。両下肢に浮腫を認める。
尿所見:蛋白3+、潜血:(ー)。随時尿の尿蛋白/Cr 比は 8.7 g/g Cr(基準 0.15 未満)。血液所見:赤血球 485 万、Hb18.1 g/dL、Ht 48 %、白血球 7,800、血小板 23 万。フィブリノゲン 677 mg/dL(基準 186〜355)、D ダイマー 3.1 μg/mL(基準 1.0 以下)。血液生化学所見:総蛋白4.0 g/dL、アルブミン 1.5 g/dL、尿素窒素 56 mg/dL、クレアチニン 1.3 mg/dL、血糖 84 mg/dL、HbA1c 6.0 %:基準(4.6〜6.2)、総コレステロール 310 mg/dL、トリグリセリド 120 mg/dL。腎生検にて微小変化型ネフローゼ症候群と診断された。
この患者において注意すべき合併症はどれか。
a. 左室肥大
b. 食道静脈瘤
c. 視神経乳頭浮腫
d. 深部静脈血栓症
e. 甲状腺機能亢進症
ネフローゼ症候群では血管内脱水により、濃縮が起こり、血栓傾向となりやすい。