65 歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。

現病歴 : 午前8時に農作業に行くと家族に伝えて外出した。昼食の時間になっても帰宅しないため家族が様子を見に行ったところ、ビニールハウス内で倒れているのを発見し、救急車を要請した。

現症 : 救急車からの予備情報によると、意識レベルは JCSⅢ-200。体温 39.2℃。心拍数 144/分、整。血圧 82/40 mmHg。呼吸数 20/分。SpO₂ 100 %(リザーバー付マスク 10 L/分酸素投与下)。

家族への病歴聴取や身体診察、検査を行った結果、以下の結果が得られた。


直ちに行うべき検査はどれか。

a. 脳波

b. 血糖測定

c. 腰椎穿刺

d. 胸部単純 CT

e. 腹部超音波検査

解答を見る

現病歴 : 作業に出かけるまでは、特に普段と変わりがなかった。朝食も普段通り 摂取していた。家族が様子を見に行った際には、ビニールハウスの中はかなり暑く なっていた。

既往歴 : 50 歳時から2型糖尿病と高血圧症で通院して投薬を受けている。

生活歴 : 喫煙は 20 本/日を 40 年間。飲酒はビール 350 mL/日を 40 年間。

家族歴 : 父が心筋梗塞。

現 症 : 意識レベルは JCSⅢ-200。体温 39.0 ℃。心拍数 138/分、整。血圧 84/46 mmHg。呼吸数 18/分。SpO₂ 99 %(鼻カニューラ3L/分酸素投与下)。瞳孔は両側3mm で対光反射は両側とも迅速。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内は乾燥している。頸部リンパ節は触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。浮腫を認めない。腱反射に異常を認めない。

検査所見 : 尿所見:蛋白1+、糖(-)、ケトン体(-)。血液所見:赤血球 610 万、Hb 17.2 g/dL、Ht 60 %、白血球 10,800(分葉核好中球 80 %、好酸球1%、好塩基球1%、単球8%、リンパ球 10 %)、血小板 42 万。血液生化学所見:総蛋白 9.0 g/dL、アルブミン 5.2 g/dL、総ビリルビン 0.8 mg/dL、AST 20 U/L、ALT 13 U/L、LD 350 U/L (基準120〜245)、尿素窒素 53 mg/dL、クレアチニン 1.8 mg/dL、血糖 153 mg/dL、Na 166 mEq/L、K 4.8 mEq/L、Cl 120 mEq/L。CRP 0.2 mg/dL。

まず投与すべきなのはどれか。

a. 抗菌薬

b. 昇圧薬

c. NSAID

d. 生理食塩液

e. 副腎皮質ステロイド

解答を見る
問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)