22 歳の男性。全身の脱力のため救急車で搬入された。

現病歴 : 3か月前から運動時の動悸を自覚していた。1か月前にテニスをしたところ、翌日起床時にベッドから起き上がりづらく、4時間ほど休んでいたら元に戻った。昨日は特別な運動をしなかったが、焼き肉店で遅くまで友人と大量に飲食したのち、30 分程度歩いて帰ったという。本日起床時ベッドから立ち上がろうとして力が入らず、次第に上肢にも力が入らなくなってきたため救急車を要請した。

既往歴 : 特記すべきことはない。

生活歴 : 大学生で実家暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。

家族歴 : 特記すべきことはない。

現 症 : 意識は清明。身長 172 cm、体重 55 kg。体温 37.8 ℃。脈拍 104/分、整。血圧 96/44 mmHg。呼吸数 22/分。皮膚は著明に湿潤している。瞳孔と眼球運動とに異常を認めない。構音に異常はない。徒手筋力テストで近位筋優位の筋力低下を認める。四肢腱反射は低下しているが、左右差は認めない。筋萎縮は認めない。感覚系に異常は認めない。

検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 515 万、Hb 17.3 g/dL、Ht 48 %、白血球 5,900、血小板 20 万。血液生化学所見:総蛋白7.0 g/dL、AST 20 U/L、ALT 25 U/L、CK 120 U/L (基準 30〜140)、尿素窒素 28mg/dL、クレアチニン 0.5 mg/dL、血糖 85 mg/dL、Na 139 mEq/L、K 2.4mEq/L、Cl 101 mEq/L。


この病態の原因として最も考えられる臓器はどれか。

a. 胸腺

b. 膵臓

c. 副腎

d. 甲状腺

e. 副甲状腺


SOAP でこの患者の診療記録を作成するとき、A の項目として記載すべきなのはどれか。

a. 起立困難

b. 意識レベル

c. 考えられる病態

d. 行うべき検査の計画

e. 徒手筋力テストの結果

解答を見る
問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)